葉流座

-ことの葉うた語り-

【紫もゆ】学園前ホール公演

紫もゆ

2022年11月12日(土)学園前アートフェスタ2022の最終日、学園前ホール主催公演で葉流座が出演しました。
天智天皇大海人皇子の二人に愛された、万葉歌人額田王の愛と哀しみを語る、中橋怜子。背景の墨の月に照明があたると、前夜の皆既月食のような赤い月が出現。情感が盛り上がります。

二部では、春に道成寺で公演した「藍の風ふく」を。
ステージ上で海の衣を翻す最終シーン。

Fuku ー葉流座cafe

 

7月2日(土)13:00 開場 13:30開演
脚本と語り:中橋怜子 舞台演出:イマタニタカコ
幸にとってたったひとりの家族だった愛猫の福(Fuku)が死んだ。
喪失感に沈む幸は、動物寺からの帰りにふと立ち寄ったペットショップにいたシエという仔犬ほどの大きさの奇妙な動物を連れて帰ることになる。
ほのかに果実の匂いがする見たこともない不思議な動物シエ、古い辞典によると善人と悪人の判別ができる伝説の動物だという。
夜毎、幸はシエに愚痴を語り涙を流す。シエは幸の愚痴を聴き涙をやさしく舐めた。そしてシエの舐めたあとは、やはり甘い果実の匂いがした。
シエとの生活の中で、幸の生い立ちや日々の生活がだんだん明らかになっていく。
幸せとは…魂が揺さぶられる感動のストーリー。
【シエ: Xie】
中国の伝説上の動物。顔は麒麟、角は鹿、足は牛、尾は虎、体は鱗で被われている。善人と悪人の判別ができることから、裁判の守護神として祀られる。

 

花の散るらむ ー葉流座cafe

奈良市学園前のKitchen-Lab KACOMで、Caféスタイルの小さな公演をいたします。

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花の散るらむ

◆葉流座cafe

言の葉うた語り
「花の散るらむ」
作/朗読 中橋怜子

5/7(土)13:00 開場
13:30 開演~15:00

参加料 2,000円
※自家焙煎珈琲or大和紅茶とcafé suisuiの手づくりスィーツ付

「花の散るらむ」

花は桜。
時代は昭和35年、高度成長期の日本。
舞台は当時の憧れの住まい、団地。
主人公は団地の最後の住人となった老女。
ひとり思い出の公団住宅に住み続ける彼女は、とうとう最後の住人となる。
公団の中の桜は昔と変わらず毎年、毎年美しく咲き誇る。あの頃と少しも変わらず…
独りの女性の半生を団地の窓を通して切り取り、花散る風景と命を重ねて語ります。

藍の風吹く(宮子姫物語) -道成寺 桜・舞-

道成寺 桜・舞 舞台

3月27日 日曜日、前日までの雨も去り、美しい青空に恵まれた道成寺の桜・舞の舞台。この日の為に創作した【藍の風吹く‐宮子姫物語-】の演目を無事終えることが出来ました。

藍の風吹くというタイトルから想い馳せていただけるように、海を愛した乙女の心のお話。

軽やかな蚊帳生地に青い染料で海を描くパフォーマンスを語りの背景に演じます。

途中、一陣の風が桜の花びらと衣装でもある蚊帳生地をなびかせて、いい舞台となりました。

中橋怜子

イマタニタカコ

宮子姫は道成寺近くの日高の里から、平城京のある奈良の地に嫁がれた方で、奈良の物語を語り伝えるという葉流座ともご縁を感じました。
この物語は趣向を変えて、秋に学園前アートフェスタの最終日、学園前ホールでも公演いたします。

藤原宮子を訪ねて海龍王寺から法華寺

来年の道成寺での桜・舞イベントで聖武天皇の母上である藤原宮子を主人公に創作が決まりました。

道明寺は能の演目にもある安珍清姫の物語で有名ですが、もともとは文武天皇が宮子の心を慰めるために建立されたお寺で、奈良の藤原京平城京とも深い縁のあるお寺です。

世が世なら・・・平城京の郊外である場所に拠点を持つ葉流座ともご縁を感じつつ、雨の中、平城遷都のあと宮子が住んだといわれる藤原不比等の元邸宅、海龍王寺から法華寺を回りました。

海龍王寺

龍王

十一面観音に祈る、歌い手の中橋怜子。
時を隔ててこの場所にいたであろう宮子に物語にすることをお許しいただく祈り。

雨に夏の名残を癒される古いお庭を歩いた後、歩いても5分程度の場所にある法華寺へと向かいます。

法華寺

法華寺聖武天皇の后、光明皇后が宮子の霊を祈ったという尼寺門跡寺院です。
ここにも十一面観音がいらっしゃいました。

道成寺には千手観音がいらっしゃいますが、千手と十一面両方お持ちになる千手十一面観音という像もあり、衆生をあまねく救う観音様の同じ表現なのかもしれません。
天武天皇持統天皇の血脈をつなぐ、たった一人の文武天皇聖武天皇の成長を見守るひとたちの祈り。

そしてそのために流された累々たる皇族の血。
転じて市中を眺めたときに蔓延する疫病(天然痘)や水害、飢饉。
十一のお顔で眺め、千の手で救ってもらわなくては平和が訪れないかもしれない・・・そんな心で観音様に祈る姿を思い描きながら、来月は宮子の故郷、御坊の道成寺に行ってきます。 
Writer:今谷多日子)